「はぁ。できることなら、もう一日だけ休みがほしかったなぁ」
僕はそう思いながら、重い足取りで玄関に向かって歩いた。
「行ってらっしゃい」
口から明るい声を出して、母親が白い手を振って僕を見送る。
「行ってきます」
そう言って僕は、下駄箱から取り出したくつを履いて玄関の扉を開けて外に出た。
八月も終わりに差しかかり、もうすぐ九月に入るというのに夏の残暑はまだ続いていた。照りつけるような日差しが空からようしゃなく降り注ぎ、どこからともなく聞こえるツクツクボウシの鳴き声。空を見上げても、雲ひとつない澄み渡った青空がどこまでも広がっていた。
「暑い」
額から流れた汗を手の甲でぬぐって、僕は顔をしかめた。
僕は玄関先に置いてある自転車にまたがって、ペダルをこいだ。自転車で平坦な道を少し走ると左手にバス停とコンビニが見え、右手には家々が見える。もう少し学校へ行く道を進むとスーパーマーケットが見え、その先を五十メートルぐらい進んだところで左に曲がると、僕の視界に少し急な坂道が見えた。この坂道をのぼると、僕の通っている高校と子供のころからお参りしている神社が見える。
僕はそう思いながら、重い足取りで玄関に向かって歩いた。
「行ってらっしゃい」
口から明るい声を出して、母親が白い手を振って僕を見送る。
「行ってきます」
そう言って僕は、下駄箱から取り出したくつを履いて玄関の扉を開けて外に出た。
八月も終わりに差しかかり、もうすぐ九月に入るというのに夏の残暑はまだ続いていた。照りつけるような日差しが空からようしゃなく降り注ぎ、どこからともなく聞こえるツクツクボウシの鳴き声。空を見上げても、雲ひとつない澄み渡った青空がどこまでも広がっていた。
「暑い」
額から流れた汗を手の甲でぬぐって、僕は顔をしかめた。
僕は玄関先に置いてある自転車にまたがって、ペダルをこいだ。自転車で平坦な道を少し走ると左手にバス停とコンビニが見え、右手には家々が見える。もう少し学校へ行く道を進むとスーパーマーケットが見え、その先を五十メートルぐらい進んだところで左に曲がると、僕の視界に少し急な坂道が見えた。この坂道をのぼると、僕の通っている高校と子供のころからお参りしている神社が見える。