「訊いてるの、神宮君?」

「ああ、わかった」

脳内で全然理解できてなかったが、僕の口が勝手に返事した。




「明日から、学校は十日間の休みになります」

午後四時三十五分、教壇に立っている小雪先生がそう言った。

これも女神様が僕の願いをかなえてくれたのだろう、教室にいる生徒たちは全員うれしそうな声を上げた。

「休み、最高!」

「明日から、スマホのゲームし放題だぁ」

「ずっと、寝てられるとかマジでうれしい」

みんな僕のおかげかも知らずに、教室にいる生徒たちはよろこんでいた。

「長い休みになりますが、充実した休みを過ごしてください」

小雪先生がそう言うと、生徒たちが教室から出て行く姿が僕の瞳に見えた。