「それは、わかるよ。その幸せが、ずっと続くと約束されてるわけじゃないからね。君が一万円を納めたぶん、代わりに君の願いをひとつかなえているだけだからね。つまり、交換条件みたいなもんよ。それも、君のお金が続くまでのね」

僕の胸を指さして、女神様は正論を言った。その言葉を聞いて、僕は心臓をわしづかみにされているような思いだった。

「お金が……続くまで……」

開いた口から出た、僕の声はかすれていた。

神社にある樹木の木々の間から朝日が差し込み、僕の足元に映っている、自分の黒い影が地面に伸びている。

「僕のお金を増やしてくれ」

突然、ひらめいたナイスアイデアを僕は女神様に言った。

ーーーーーーいける。この願いなら、僕のお金はなくなることはない。そして、つぼみとも別れなくてもいい。

使ったお金が増え、つぼみとこのまま一生いられることを想像したら、自然と笑みがこぼれた。