ハル君達は見えなくなった。……いや、最初から飛び立つのさえ見えてないけど。空飛んだんだよね? 凄いなぁ。魔法って……。どうせなら飛んでいるところを見たかった。
そう言えば、ハル君、張り切ってジャックしてくるって言っていたけどなんだろう?
「ジャックって何かな?」
「今日は確か、ラジオジャックですわね」
私の呟きに、マリアさんが答えてくれた。
「あ、そっか!」
ウィザードはデビュー当時はテレビに出ていたが、ここ最近は何故かテレビやラジオの生番組をジャックして歌を歌う売り方なっている。路線変更したのかな?
まあ、北海道にいたら色々大変だよね……。なんで北海道なんだろう? まあそのお蔭で出会えたけど。
あ、北海道にいるから仕事減らしたのかな?
「聞きたいのでしたら、わたくしの家で聞けましてよ。ここから近いのでお寄りになります?」
「いいんですか! 私まだ、ジャックを生で聞いたり見たりした事がないんです!」
私が難しい顔をしていたせいか、マリアさんがそう言ってくれて、お言葉に甘えちゃう事にしました。って、アメリアさんはどうしようか……。連れて行って平気だよね? ここに一人残しておくわけにもいかないし……。
「キャー!」
突然の悲鳴に驚いて見れば、アメリアさんの肩を掴んでいるあの緑の男の人がいた! おじいちゃんの世界の訪問者の人だ!
誤解いや、ちゃんと説明しなくちゃ!
「やはりな。あなた達は、この世界の魔法使いだったか!」
「きゃー!」
説明をしようと口を開きかけると、訪問者のお兄さんは、事もあろうことかアメリアさんのマントの中に手を入れた! 彼女の手を引っ張り出す為だったみたいだけど。
「な、何をなさっておりますの!」
「いや、離して!」
二人が声を上げる中、訪問者のお兄さんはアメリアさんが持っていた本を取り上げた!
「あ! 返して!」
「何を言っている。盗んだ本だろう。このまま来てもらう!」
説明も何も出来ないままアメリアさんを連れて行かれそうになり、慌てて私は叫ぶ。
「待って! 誤解なの!」
「そうですわ! おじい様がお戻りになれば解決ですわ! まずお話を……」
私達が引き留めようと言うと、訪問者のお兄さんは驚いた顔をしてアメリアさんを見た。
「あなたは、この世界の人達にべらべらと話したのですか! 何を考えて……。仕方がない。そこの二人にも一緒に来てもらおう!」
「待って! 彼女達はこの世界の魔法使いですが新米なのです! 空すら飛べないようなんですよ! それに彼女……」
「話した君が悪い!」
訪問者のお兄さんはそれ以上聞き耳を持たないと言わんばかりに、強めにそう言った。
って、アメリアさんの言っている事は正しいけど、もう少しソフトな説明の仕方がないかな? というか、どうしよう……。きっと同じ仕事仲間? なのだからおじいちゃんの事知っているよね? でもこれ以上言って攻撃でもさ
れでも。どうしよう……。
「マリアさん、どうした……ら……」
って、マリアさんの目がキラキラ輝いている様に見える。まさかこのまま捕まってみようかな? なんて思ってないよね? もしかしたら私達、本の牢獄に入れられるかもしれないんだよ?
「マ、マリアさん……」
ハッとしたように私を見た後、マリアさんは頷いた。
「おじい様は、二人を送って行ったのですぐに戻ってきますわ。お願いですから……」
「俺は、彼女とこの本を持って戻ればいいだけだ。あんた達の処遇は向こうについてから決まる。兎に角いう事を聞いてほしい。三人共手を繋いで」
ダメですね。私達の言い分を聞く気は一切ないみたい。まあ、自分が判断する事じゃないみたいな事を言っているし。しかも手を繋げって言っているし……。なんで繋ぐんだろう? 逃げようと思えば、アメリアさんを置いて逃げれるのに……。
もしかして、手を繋いだら離れないような魔法があるとか!?
アメリアさんとマリアさんが繋ぎ、もう片方を私が繋ぐ。……何も起こらない。向こうでは連行する時に手を繋ぐのが普通なのかな?
「これでよろしいかしら?」
「着いてこい。こっちだ」
仕方なく促されるまま私達は手をつないで歩く。って、もしかして今、他の人達からすると、私とマリアさん二人で仲良く手を繋いで歩いているように見えているんじゃ……。
私は慌てて周りを見渡す。ハル君の家の裏手に向かっているようで、周りには人影はない。まずは一安心。
チラッとマリアさんを見ると、心なしか嬉しそうだ。この状況を絶対楽しんでいる! いや私は楽しんでいる訳じゃなく、状況判断を……。少しだけどんな世界か見てみたい気持ちはあります。はい。
だって、本の中の素敵な世界が広がっているかもしれないんだよ! おじいちゃんが助けに来てくれそうだし。多分……。でも、捕まったって知らなかったら、知らずにそのままもありなのかな……。そうなったら大変だ! やっぱり何とかしないと!
そう言えば、ハル君、張り切ってジャックしてくるって言っていたけどなんだろう?
「ジャックって何かな?」
「今日は確か、ラジオジャックですわね」
私の呟きに、マリアさんが答えてくれた。
「あ、そっか!」
ウィザードはデビュー当時はテレビに出ていたが、ここ最近は何故かテレビやラジオの生番組をジャックして歌を歌う売り方なっている。路線変更したのかな?
まあ、北海道にいたら色々大変だよね……。なんで北海道なんだろう? まあそのお蔭で出会えたけど。
あ、北海道にいるから仕事減らしたのかな?
「聞きたいのでしたら、わたくしの家で聞けましてよ。ここから近いのでお寄りになります?」
「いいんですか! 私まだ、ジャックを生で聞いたり見たりした事がないんです!」
私が難しい顔をしていたせいか、マリアさんがそう言ってくれて、お言葉に甘えちゃう事にしました。って、アメリアさんはどうしようか……。連れて行って平気だよね? ここに一人残しておくわけにもいかないし……。
「キャー!」
突然の悲鳴に驚いて見れば、アメリアさんの肩を掴んでいるあの緑の男の人がいた! おじいちゃんの世界の訪問者の人だ!
誤解いや、ちゃんと説明しなくちゃ!
「やはりな。あなた達は、この世界の魔法使いだったか!」
「きゃー!」
説明をしようと口を開きかけると、訪問者のお兄さんは、事もあろうことかアメリアさんのマントの中に手を入れた! 彼女の手を引っ張り出す為だったみたいだけど。
「な、何をなさっておりますの!」
「いや、離して!」
二人が声を上げる中、訪問者のお兄さんはアメリアさんが持っていた本を取り上げた!
「あ! 返して!」
「何を言っている。盗んだ本だろう。このまま来てもらう!」
説明も何も出来ないままアメリアさんを連れて行かれそうになり、慌てて私は叫ぶ。
「待って! 誤解なの!」
「そうですわ! おじい様がお戻りになれば解決ですわ! まずお話を……」
私達が引き留めようと言うと、訪問者のお兄さんは驚いた顔をしてアメリアさんを見た。
「あなたは、この世界の人達にべらべらと話したのですか! 何を考えて……。仕方がない。そこの二人にも一緒に来てもらおう!」
「待って! 彼女達はこの世界の魔法使いですが新米なのです! 空すら飛べないようなんですよ! それに彼女……」
「話した君が悪い!」
訪問者のお兄さんはそれ以上聞き耳を持たないと言わんばかりに、強めにそう言った。
って、アメリアさんの言っている事は正しいけど、もう少しソフトな説明の仕方がないかな? というか、どうしよう……。きっと同じ仕事仲間? なのだからおじいちゃんの事知っているよね? でもこれ以上言って攻撃でもさ
れでも。どうしよう……。
「マリアさん、どうした……ら……」
って、マリアさんの目がキラキラ輝いている様に見える。まさかこのまま捕まってみようかな? なんて思ってないよね? もしかしたら私達、本の牢獄に入れられるかもしれないんだよ?
「マ、マリアさん……」
ハッとしたように私を見た後、マリアさんは頷いた。
「おじい様は、二人を送って行ったのですぐに戻ってきますわ。お願いですから……」
「俺は、彼女とこの本を持って戻ればいいだけだ。あんた達の処遇は向こうについてから決まる。兎に角いう事を聞いてほしい。三人共手を繋いで」
ダメですね。私達の言い分を聞く気は一切ないみたい。まあ、自分が判断する事じゃないみたいな事を言っているし。しかも手を繋げって言っているし……。なんで繋ぐんだろう? 逃げようと思えば、アメリアさんを置いて逃げれるのに……。
もしかして、手を繋いだら離れないような魔法があるとか!?
アメリアさんとマリアさんが繋ぎ、もう片方を私が繋ぐ。……何も起こらない。向こうでは連行する時に手を繋ぐのが普通なのかな?
「これでよろしいかしら?」
「着いてこい。こっちだ」
仕方なく促されるまま私達は手をつないで歩く。って、もしかして今、他の人達からすると、私とマリアさん二人で仲良く手を繋いで歩いているように見えているんじゃ……。
私は慌てて周りを見渡す。ハル君の家の裏手に向かっているようで、周りには人影はない。まずは一安心。
チラッとマリアさんを見ると、心なしか嬉しそうだ。この状況を絶対楽しんでいる! いや私は楽しんでいる訳じゃなく、状況判断を……。少しだけどんな世界か見てみたい気持ちはあります。はい。
だって、本の中の素敵な世界が広がっているかもしれないんだよ! おじいちゃんが助けに来てくれそうだし。多分……。でも、捕まったって知らなかったら、知らずにそのままもありなのかな……。そうなったら大変だ! やっぱり何とかしないと!