段々とおかしな方向に話が流れている。……もう訳がわかりません!
「ねえルナ。アメリアさんは魔法使いという事で宜しいのでしょうか?」
あ、そっか。アメリアさんの声が聞こえないのね。……そういう事にしておかないと話が合わない? 合ってもおかしいけどね。
「本人はそう言っていますけど……」
「なら、話は簡単ですわ!」
私の返事を聞きマリアさんは立ち上がった。そして向かい側に座っているおじさんにこう言った。
「おじい様はどこですの? 今すぐ儀式をして頂きたいですわ! そうすればわたくしが魔法使いになりますわ! アメリアさんが見えれば仮説が正しい事が証明されますわ!」
「なるほど! マリア冴えてる~」
「確かにそうだね!」
「あ、えっと、無理かな……」
二人は賛同しおじさんに注目するが、困惑した顔つきで言った。
そう無理だよね? 魔法使いなんていないんだから! そもそもこの話から行くと私も魔法使いって事になりますから!
そりゃ小学生までは信じてましたよ。あの凄い儀式があったからね。魔法陣が浮き上がって光り輝いて……。小学生ならコロッて騙されちゃいますよ!
「なぜですの?」
「なぜっていないから……」
うん? 出来ない理由はいないから? それだけ?
「あ! そういえばおじいちゃん達、昨日から旅行に行っているんだっけ?」
「そうだ! おばあちゃんと故郷に帰るって言っていたな」
ハル君が思い出したように言うと、カナ君もそうだったと頷く。
「故郷ってどちらですの?」
「それが知らないんだ……」
「ご自身のご両親のご実家をご存知ないのですか?」
マリアは驚いて言った。それには私も驚いた。
「そういえば僕。おじいちゃんの実家の話しっていったら、自然が豊かという事しか知らないや」
「そうではないでしょう? お出かけになったのですよね? 知らないのなら聞くのが当然ですわ! 本当はどちらに!」
そう言われればそうだ。知らないはずない! ほらやっぱり、儀式なんて出来ないのよ!
「もしかして、僕達に内緒で入院したとか?」
「いや、入院はしていない」
ハル君が心配そうに聞くとそうではないと否定する。
「旅行ではないんだよね?」
「いや、母さんは、故郷に一足先に帰った……」
「で、おじい様は?」
両手を腰にあてマリアさんは凄んだ!
「わかった。ちょっと待ってろ」
観念したのか、おじいちゃんを呼びに行った。
っと、思ったんだけど、赤い本を手に戻って来た。それを自分の目の前のテーブルの上に置いた。
「何この本?」
「本?」
ハル君が呟くと、マリアさんが首を傾げる。
「父さんが作ったものだ」
「作ったですって!」
おじさんが説明すると、声を上げて驚いたのはアメリアさんだった。その声にマリアさん以外は彼女に振り向いた!
「え? 何ですの? アメリアさんが何か言いましたの?」
マリアさんだけが、状況がわからない様子。これって本当に聞こえてない?
「この本の事を知っているのか?」
マリアさんの質問はスルーされ、おじさんはアメリアさんに問う。彼女は問いに頷き、ローブから本を出した。持って来た本と同じ赤い本。
そう言えば、男の人がアメリアさんに本を渡せって言っていたっけ……。
「それは! 君だったのか! 父さんが言っていた人は!」
「え? 何か言って出かけたの?」
「この本をリードする物が来るって……」
頷きハル君の質問に答え、テーブルの上に置いてある本を指差した。
「あー! もう! 全然わかりませんわ!」
皆が本に注目していると、突然マリアさんが叫んだ!
「わたくしだけ話しについていけてませんわ! 本って何ですの!」
その言葉に今度はマリアさんを皆凝視する。
「もしかしてマリア。この本も見えてないのか?」
「もしかしなくても見えておりませんわ!」
「マジか……」
マリアさんの答えにカナ君は呟く。
「ねえ、おじいちゃん呼べないの?」
ハル君は、おじさんに問うが、すまなそうに口を開く。
「その事なのだが、この本をリードして本から出さないといけない……」
どういう意味だろう? 私達は顔を見合わせた。
「本から出さないとって、おじいちゃんをって事?」
ハル君の質問におじさんは頷いて答える。
「え? その本っておじいちゃんが作ったって言わなかったっけ?」
ハル君が驚いて更に質問をする。って、驚くところそこではないでしょう!! おじいちゃんが本の中にいるって言っているんだよ!
「そうだ。作るのをこの目で見たからな」
「何ですって! わたくしも拝見したかったですわ!」
「僕も見たかった! なんで呼んでくれなかったんだよ!」
「俺も! 見たかった!」
「そう言われても……」
もう抗議にタジタジ。
うん。全員魔法使いを信じているって事ね。なんだか段々慣れて来たよ……。
「あの、お取込み中すみませんが、その方のお名前はリアムさんといいませんか?」
「いえ違います」
突然アメリアさんは質問をしてきた。そもそもその名前日本人の名前じゃないし。まあ、今ならキラキラネーム系でありかもしれないけど。
「アメリアさんはなんて質問を?」
「おじいちゃんの名前を……」
なんか魔法使いを否定しているのがバカバカしくなってくる。――魔法使いを信じていいと思っちゃうじゃない……。
「ねえルナ。アメリアさんは魔法使いという事で宜しいのでしょうか?」
あ、そっか。アメリアさんの声が聞こえないのね。……そういう事にしておかないと話が合わない? 合ってもおかしいけどね。
「本人はそう言っていますけど……」
「なら、話は簡単ですわ!」
私の返事を聞きマリアさんは立ち上がった。そして向かい側に座っているおじさんにこう言った。
「おじい様はどこですの? 今すぐ儀式をして頂きたいですわ! そうすればわたくしが魔法使いになりますわ! アメリアさんが見えれば仮説が正しい事が証明されますわ!」
「なるほど! マリア冴えてる~」
「確かにそうだね!」
「あ、えっと、無理かな……」
二人は賛同しおじさんに注目するが、困惑した顔つきで言った。
そう無理だよね? 魔法使いなんていないんだから! そもそもこの話から行くと私も魔法使いって事になりますから!
そりゃ小学生までは信じてましたよ。あの凄い儀式があったからね。魔法陣が浮き上がって光り輝いて……。小学生ならコロッて騙されちゃいますよ!
「なぜですの?」
「なぜっていないから……」
うん? 出来ない理由はいないから? それだけ?
「あ! そういえばおじいちゃん達、昨日から旅行に行っているんだっけ?」
「そうだ! おばあちゃんと故郷に帰るって言っていたな」
ハル君が思い出したように言うと、カナ君もそうだったと頷く。
「故郷ってどちらですの?」
「それが知らないんだ……」
「ご自身のご両親のご実家をご存知ないのですか?」
マリアは驚いて言った。それには私も驚いた。
「そういえば僕。おじいちゃんの実家の話しっていったら、自然が豊かという事しか知らないや」
「そうではないでしょう? お出かけになったのですよね? 知らないのなら聞くのが当然ですわ! 本当はどちらに!」
そう言われればそうだ。知らないはずない! ほらやっぱり、儀式なんて出来ないのよ!
「もしかして、僕達に内緒で入院したとか?」
「いや、入院はしていない」
ハル君が心配そうに聞くとそうではないと否定する。
「旅行ではないんだよね?」
「いや、母さんは、故郷に一足先に帰った……」
「で、おじい様は?」
両手を腰にあてマリアさんは凄んだ!
「わかった。ちょっと待ってろ」
観念したのか、おじいちゃんを呼びに行った。
っと、思ったんだけど、赤い本を手に戻って来た。それを自分の目の前のテーブルの上に置いた。
「何この本?」
「本?」
ハル君が呟くと、マリアさんが首を傾げる。
「父さんが作ったものだ」
「作ったですって!」
おじさんが説明すると、声を上げて驚いたのはアメリアさんだった。その声にマリアさん以外は彼女に振り向いた!
「え? 何ですの? アメリアさんが何か言いましたの?」
マリアさんだけが、状況がわからない様子。これって本当に聞こえてない?
「この本の事を知っているのか?」
マリアさんの質問はスルーされ、おじさんはアメリアさんに問う。彼女は問いに頷き、ローブから本を出した。持って来た本と同じ赤い本。
そう言えば、男の人がアメリアさんに本を渡せって言っていたっけ……。
「それは! 君だったのか! 父さんが言っていた人は!」
「え? 何か言って出かけたの?」
「この本をリードする物が来るって……」
頷きハル君の質問に答え、テーブルの上に置いてある本を指差した。
「あー! もう! 全然わかりませんわ!」
皆が本に注目していると、突然マリアさんが叫んだ!
「わたくしだけ話しについていけてませんわ! 本って何ですの!」
その言葉に今度はマリアさんを皆凝視する。
「もしかしてマリア。この本も見えてないのか?」
「もしかしなくても見えておりませんわ!」
「マジか……」
マリアさんの答えにカナ君は呟く。
「ねえ、おじいちゃん呼べないの?」
ハル君は、おじさんに問うが、すまなそうに口を開く。
「その事なのだが、この本をリードして本から出さないといけない……」
どういう意味だろう? 私達は顔を見合わせた。
「本から出さないとって、おじいちゃんをって事?」
ハル君の質問におじさんは頷いて答える。
「え? その本っておじいちゃんが作ったって言わなかったっけ?」
ハル君が驚いて更に質問をする。って、驚くところそこではないでしょう!! おじいちゃんが本の中にいるって言っているんだよ!
「そうだ。作るのをこの目で見たからな」
「何ですって! わたくしも拝見したかったですわ!」
「僕も見たかった! なんで呼んでくれなかったんだよ!」
「俺も! 見たかった!」
「そう言われても……」
もう抗議にタジタジ。
うん。全員魔法使いを信じているって事ね。なんだか段々慣れて来たよ……。
「あの、お取込み中すみませんが、その方のお名前はリアムさんといいませんか?」
「いえ違います」
突然アメリアさんは質問をしてきた。そもそもその名前日本人の名前じゃないし。まあ、今ならキラキラネーム系でありかもしれないけど。
「アメリアさんはなんて質問を?」
「おじいちゃんの名前を……」
なんか魔法使いを否定しているのがバカバカしくなってくる。――魔法使いを信じていいと思っちゃうじゃない……。