真面目で実直なところが好きだ。当然のように熱くなるところも格好いい。そんな晄汰郎と付き合っているなんて、いまだにちょっと信じられないくらいだったりする。

 でも、もうちょっと構ってくれてもいいんじゃないかと思う。付き合いはじめて三、四日でも正真正銘の〝彼氏と彼女〟なのにちょっと冷たすぎやしないだろうか、と。

 あの日、木曜日の放課後、体育館裏で照れながら〝答え合わせ〟をしたときの可愛い晄汰郎はいったいどこに行ってしまったというのだろう。幻だったなんて思いたくない。

「えー? すごい真面目だねぇ。まあ、そういう人だって、みんなわかってるんだけど」
「真面目っていうか、むしろ真面目すぎてバカなんじゃないかって思うよ……。どうせやるなら一位を目指したい気持ちもわかるけどさ、キュンが足りないんだよ、キュンが」
「ああー……」

 同情のこもった相づちが、耳に痛い。

 ほんと、キュンが足りない。この中にどれだけの子が想いを実らせたのかはわからないけれど、私以上にキュンが不足している子はいないんじゃないかと本気で思ってしまうレベルで、とにかくキュンが足りない。