実はここ一週間ほど、学校帰りのいつものコースのフェンス越しから、晄汰郎の部活の様子をしばらく眺めて帰っていたのだ。
何をするでもなく、ただ練習を一定時間眺めて、そして駅へ続く坂道を下っていく。
ストーカーっぽくて自分でも自分の行動が気持ち悪かったけれど、今さら帰りのルートを変えるなんて負けのような気がしたし、晄太郎のことを避けたいけれど避けたくないという、複雑な気持ちもあった。
何より、好きになっちゃったから。たとえ最初から望みはなくても、最後に好きな人の姿くらい見つめさせてほしかった。
「――じゃあ、答え合わせをしようか」
そう言って再び顔を覗き込んできた晄汰郎にはっと我に返った私は、心持ち赤く見える彼の顔を見て、渋々と首を縦に振った。
本当は全部をうやむやにして、なかったことにしたい。でも、こうなったらもう腹を括って告うしかないかもしれない。
〝答え合わせ〟の意味は今ひとつわからないけれど、本当の気持ちを言えるチャンスであることに変わりはない。当たって砕けたら、この気持ちもいくぶん晴れるだろう。
本当の恋が上手くいかないことだらけだって教えてもらえただけ、晄汰郎を好きになった意味がある。そう思えば、答え合わせをした結果がどうであれ、もう計算なんて必要なくなれるんじゃないかという気もする。
何をするでもなく、ただ練習を一定時間眺めて、そして駅へ続く坂道を下っていく。
ストーカーっぽくて自分でも自分の行動が気持ち悪かったけれど、今さら帰りのルートを変えるなんて負けのような気がしたし、晄太郎のことを避けたいけれど避けたくないという、複雑な気持ちもあった。
何より、好きになっちゃったから。たとえ最初から望みはなくても、最後に好きな人の姿くらい見つめさせてほしかった。
「――じゃあ、答え合わせをしようか」
そう言って再び顔を覗き込んできた晄汰郎にはっと我に返った私は、心持ち赤く見える彼の顔を見て、渋々と首を縦に振った。
本当は全部をうやむやにして、なかったことにしたい。でも、こうなったらもう腹を括って告うしかないかもしれない。
〝答え合わせ〟の意味は今ひとつわからないけれど、本当の気持ちを言えるチャンスであることに変わりはない。当たって砕けたら、この気持ちもいくぶん晴れるだろう。
本当の恋が上手くいかないことだらけだって教えてもらえただけ、晄汰郎を好きになった意味がある。そう思えば、答え合わせをした結果がどうであれ、もう計算なんて必要なくなれるんじゃないかという気もする。