でも反面、この空気のおかげで、金曜日からの一連のこともいい感じにうやむやにできるかもしれないと、ほのかに期待した。

 晄汰郎のことは好きだけれど、あまり関わりたくないのが本音だから。

 だって〝これまでの私〟を内側から作り変えられていくようで。そうなったら、私には何も残らない気がして、すごく怖い。

 でも、そんな期待は見事に裏切られ、こうして毎日、くれくれとせがまれるようになった。

 この通り別段欲しくもなさそうなのに、なんでこう、毎日毎日くれくれ言われなきゃいけないの? もうわけがわからない。

 わざと気まずい空気を作ろうとして、あんなことを言ったわけでは、もちろんない。でも、十分気まずくなる出来事のはずだ。

なのに、どうして……? 想像を超えて行動してくる晄汰郎が理解できない。

 男子って案外こういうものなのかもしれないなと思う反面、いやいやいや、晄汰郎だからなんじゃないの、と感情の振り幅が大きくて、そんな自分に振り回される四日間だ。

 そして今も、どうしてこんなに責められているのか、わかるようでいて、実はわからないのが正直なところだったりする。

 だって自分で言ったんじゃないか、お守りなんてただの願掛けだって。じゃあなんで、くれくれ言う? 意味がわからない。