「もしかして、さおりんって多重人格?」
駅裏のファミレスでアイスコーヒーを一口飲むなり、
フジミんが言った。
さすが元は同じ人間、思考回路が直規と同じだ。
でも、話すとややこしくなりそうだから、
とりあえずフジミんからの質問はスルーしておこう。
「その金髪のさおりって、どんなだった?」
「髪は短めで、俺のと同じようなピアスしてた。
メイクもしてたし、大人っぽかったよ。
初めて会った時と印象が全然違ったから、誰かと思ったよ」
「どこで会ったの?」
「横浜駅の近くをブラブラ歩いてたら、
『直規?』って声かけられた。
でも、ちょっと様子がおかしかったよね」
「おかしいって?」
「ずぶ濡れだったんだよ。
あの日の夕方、通り雨が降ったじゃん?」
そうなんだ。知らなかった。
「なのに、さおりんニコニコしてるし。
仕方がないから、俺が着替えさせてやったよ」
「えっ!?」
駅裏のファミレスでアイスコーヒーを一口飲むなり、
フジミんが言った。
さすが元は同じ人間、思考回路が直規と同じだ。
でも、話すとややこしくなりそうだから、
とりあえずフジミんからの質問はスルーしておこう。
「その金髪のさおりって、どんなだった?」
「髪は短めで、俺のと同じようなピアスしてた。
メイクもしてたし、大人っぽかったよ。
初めて会った時と印象が全然違ったから、誰かと思ったよ」
「どこで会ったの?」
「横浜駅の近くをブラブラ歩いてたら、
『直規?』って声かけられた。
でも、ちょっと様子がおかしかったよね」
「おかしいって?」
「ずぶ濡れだったんだよ。
あの日の夕方、通り雨が降ったじゃん?」
そうなんだ。知らなかった。
「なのに、さおりんニコニコしてるし。
仕方がないから、俺が着替えさせてやったよ」
「えっ!?」