そしてまた世界は枝分かれする

次の日、学校で会っても、
美園は私と目を合わそうとしなかった。

「フジミんの話、嘘だよね? 美園ともう一度話してみなよ」

心配した真澄がそう言いにきてくれたけど、
美園になんて言えばいいのかわからない。
パラレルワールドなんて信じてもらえないだろうし、
そんなありえない話をしたら、
余計に怒るに決まってる。

それに、私は傷ついていた。
美園みたいに愛想がないことくらい、自分でもわかってる。
だからこそ、美園も真澄も、
私にとっては大事な友達だと思っていたわけで。

それなのに、あんなふうに思われていたなんて。
美園とどう接したらいいのかわからない。
話すのが、怖い。

「放課後、3人で話そうよ」

とりなそうとする真澄に、
私は「ごめん」と首を横に降った。

もう、最悪だ。
ヘコみきって帰ってきた日ノ出町駅の改札の向こうに、
一番会いたくない人が立っていた。

「ちょっとー。無視しないでよー」

素通りしようとした私のカバンをフジミんがつかむ。

「触らないで」

「悪かったよ。美園に言うことじゃなかったって反省してます」

「じゃあ、美園に本当のこと言ってよ」

「だって、本当のことじゃん。
俺、さおりんと飯食ったじゃん。金髪でビビったけど」

「えっ!?」

金髪の私って、まさかそんな…。