「知ってるんだからね。
学校でも予備校でも違う女の子とイチャイチャしてるって」
フジミんの目が泳ぐ。
これじゃ、「クロです」って白状してるのと同じだってば。
「お待たせ」
トレーを手に、やっと真澄が現れた。
本当だよ、待たせすぎだよ。
「こっちの二つがブラックで、
後の二つはカフェラテ」
真澄がプラスチックの蓋がついた
カフェラテの紙カップを私と美園の前に置く。
「私、こっちがいい」
仏頂面の美園が、珍しくブラックの紙カップに手を伸ばす。
今は甘い気分にはなれないってことか。
甘いのが苦手な真澄はブラックコーヒーを自分の前に置き、
フジミんの前にカフェラテを乱暴に置いた。こっちも怖いよ。
「何とか言ったらどうなの?
いつもはどうでもいいことまでペラペラしゃべるくせに」
美園がもう一度テーブルを叩く。
今度は美園の不安を表すように、鈍い音しかしない。
こんなに悲しそうな美園の顔、見たくなかった。
やっぱり、連絡先を聞かれた時点で
美園に言うべきだったのかもしれない。
「あんなやつやめたら?」って。
私は後悔しながら、カフェラテに口をつけた。
チョコソースが利いていている。
どんな時も、やっぱりおいしいものはおいしい。
ん? チョコソース?
隣を見ると、フジミんは今まさに蓋がついた紙カップに
口をつけようとしていた。
「だめ! それ、チョコソースが入ってる!」
学校でも予備校でも違う女の子とイチャイチャしてるって」
フジミんの目が泳ぐ。
これじゃ、「クロです」って白状してるのと同じだってば。
「お待たせ」
トレーを手に、やっと真澄が現れた。
本当だよ、待たせすぎだよ。
「こっちの二つがブラックで、
後の二つはカフェラテ」
真澄がプラスチックの蓋がついた
カフェラテの紙カップを私と美園の前に置く。
「私、こっちがいい」
仏頂面の美園が、珍しくブラックの紙カップに手を伸ばす。
今は甘い気分にはなれないってことか。
甘いのが苦手な真澄はブラックコーヒーを自分の前に置き、
フジミんの前にカフェラテを乱暴に置いた。こっちも怖いよ。
「何とか言ったらどうなの?
いつもはどうでもいいことまでペラペラしゃべるくせに」
美園がもう一度テーブルを叩く。
今度は美園の不安を表すように、鈍い音しかしない。
こんなに悲しそうな美園の顔、見たくなかった。
やっぱり、連絡先を聞かれた時点で
美園に言うべきだったのかもしれない。
「あんなやつやめたら?」って。
私は後悔しながら、カフェラテに口をつけた。
チョコソースが利いていている。
どんな時も、やっぱりおいしいものはおいしい。
ん? チョコソース?
隣を見ると、フジミんは今まさに蓋がついた紙カップに
口をつけようとしていた。
「だめ! それ、チョコソースが入ってる!」