アメフトコートでは、
スクールカラーの赤いウエアを着た
選手たちがヘルメットを片手に集まっていた。

「すっげー! カッコいい!」

思わずといった感じで立ち止まった男の子が、
興奮気味にくり返した。

何度目かのつぶやきの後、
私の存在を思い出したように、
「す、すいません」と再び顔を赤らめた。

「ううん。いいね、やりたいことがあって」

「まあ、動機はちょっと不純なんスけどね」

男の子が足元に視線を落とす。
黒いスニーカーはずいぶん大きい。
きっとまだまだ背が伸びるんだろうな、この子。