佐藤直規!
美園と私の両肩を掴んでいるその人は佐藤直規そのものだった。
てっきり、あっちの佐藤直規が現れたのかと思った。
けれど、緑がかった茶色い瞳は私ではなく美園を見ている。
「フジミん! 今日、バイトじゃなかったっけ?」
「思ったより早く終わってさあ。
現場が近かったから、来ちゃった。
美園に会えるかなーって思って」
明るい長めの髪の間から、紫の石のついたピアスがチラチラ見える。
佐藤直規が私の視線に気づいて、右手を差し出してきた。
「どうもー。佐藤直規です」
「ど、どうも……」
呆然とする私の右手を取り、強引に握手する佐藤直規。
「美園の彼氏って、
フジミくんって名前じゃなかったの?」
助けを求めるように美園を見ると、フジミんこと佐藤直規が割って入ってきた。
っていうか顔、近いってば。
「フジミんって、昔からのあだ名なの。
俺、何度も危ない目に遭ってるのに、不思議と死なないんだよね。
で、不死身の男だから、フジミん。よろしくね」
何なの、語尾に♡をつけるようなその喋り方は。
しかも何度も危ない目って、どういうこと?
聞きたいことはたくさんあるけど、この人、何だか絡みづらい。
「あ……そう、なんだ」
自称「不死身の男」の手からさりげなく自分の手を抜き取る。
サプライズで登場した彼氏に、美園はさっきまでの憂鬱そうな表情が
嘘みたいにはしゃいでいる。
美園と私の両肩を掴んでいるその人は佐藤直規そのものだった。
てっきり、あっちの佐藤直規が現れたのかと思った。
けれど、緑がかった茶色い瞳は私ではなく美園を見ている。
「フジミん! 今日、バイトじゃなかったっけ?」
「思ったより早く終わってさあ。
現場が近かったから、来ちゃった。
美園に会えるかなーって思って」
明るい長めの髪の間から、紫の石のついたピアスがチラチラ見える。
佐藤直規が私の視線に気づいて、右手を差し出してきた。
「どうもー。佐藤直規です」
「ど、どうも……」
呆然とする私の右手を取り、強引に握手する佐藤直規。
「美園の彼氏って、
フジミくんって名前じゃなかったの?」
助けを求めるように美園を見ると、フジミんこと佐藤直規が割って入ってきた。
っていうか顔、近いってば。
「フジミんって、昔からのあだ名なの。
俺、何度も危ない目に遭ってるのに、不思議と死なないんだよね。
で、不死身の男だから、フジミん。よろしくね」
何なの、語尾に♡をつけるようなその喋り方は。
しかも何度も危ない目って、どういうこと?
聞きたいことはたくさんあるけど、この人、何だか絡みづらい。
「あ……そう、なんだ」
自称「不死身の男」の手からさりげなく自分の手を抜き取る。
サプライズで登場した彼氏に、美園はさっきまでの憂鬱そうな表情が
嘘みたいにはしゃいでいる。