海のすぐそばの芝生は風が気持ちよくて、思いっきり伸びをしたくなる。
「真澄は今日、デートだっけ?」
「渋谷で映画見るんだって。いいなあ」
美園が、天を仰いで口をとがらせる。
「美園もデートすればよかったのに」
「最近、全然会ってくれないの。
受験生になる前に、バイトしておきたいんだって」
「ふーん」
「さおりはどうなのよ? 好きな人とか、いないの?」
いるわけないじゃん。
即答すると、美園は呆れた顔をしてからニヤリと笑った。
「真澄の彼氏の弟が高校生で、カッコいいんだって」
「へえ」と適当に返しかけたけど、ちょっと何かが引っかかる。
「真澄の彼氏って、どこに住んでるの?」
私が興味を持ったと思ったのか、美園が嬉しそうな顔で答える。
「本牧だって。今度紹介してもらえば?」
本牧で弟って、もしかして……。
いやいや、真澄の彼氏は大学生だし。
浮かんだ考えを慌てて振り払った。
「真澄は今日、デートだっけ?」
「渋谷で映画見るんだって。いいなあ」
美園が、天を仰いで口をとがらせる。
「美園もデートすればよかったのに」
「最近、全然会ってくれないの。
受験生になる前に、バイトしておきたいんだって」
「ふーん」
「さおりはどうなのよ? 好きな人とか、いないの?」
いるわけないじゃん。
即答すると、美園は呆れた顔をしてからニヤリと笑った。
「真澄の彼氏の弟が高校生で、カッコいいんだって」
「へえ」と適当に返しかけたけど、ちょっと何かが引っかかる。
「真澄の彼氏って、どこに住んでるの?」
私が興味を持ったと思ったのか、美園が嬉しそうな顔で答える。
「本牧だって。今度紹介してもらえば?」
本牧で弟って、もしかして……。
いやいや、真澄の彼氏は大学生だし。
浮かんだ考えを慌てて振り払った。