「さおりの多重人格で、俺までおかしくなっちゃったのかよ」
「なにそれ。私、多重人格じゃないもん」
「じゃあ、どういうことなんだよ」
混乱するのは勝手だけど、私にキレないでほしい。
完全に八つ当たりだと思う。
「違う世界なの。佐藤直規の世界と、私がいる世界は」
「違う世界?」
「そう。パラレルワールド」
そう断言してから、笑ってしまった。
そう言う私だって「パラレルワールドなんてあるわけないじゃん」
って思ってたくせに。
でも、こうなると信じないわけにはいかない。
「聞いたことない? ほら、SFとかの設定でよくあるでしょ。
『もう一人の自分が住んでいる別の世界』みたいな」
佐藤直規はうんともすんとも言わない。
でも、聞いてはいるようだから、話を続けた。
「宇宙は、どんどん枝分かれして、
パラレルワールドを作り出してるんだって。
そう考えると、確かに説明がつくんだよね。
私のお母さんは亡くなっているのに、
金髪のさおりのお母さんは生きてる。
たぶん、お母さんが亡くなった時、
私の世界とそっちのさおりの世界に枝分かれしたんだよ」
「なにそれ。私、多重人格じゃないもん」
「じゃあ、どういうことなんだよ」
混乱するのは勝手だけど、私にキレないでほしい。
完全に八つ当たりだと思う。
「違う世界なの。佐藤直規の世界と、私がいる世界は」
「違う世界?」
「そう。パラレルワールド」
そう断言してから、笑ってしまった。
そう言う私だって「パラレルワールドなんてあるわけないじゃん」
って思ってたくせに。
でも、こうなると信じないわけにはいかない。
「聞いたことない? ほら、SFとかの設定でよくあるでしょ。
『もう一人の自分が住んでいる別の世界』みたいな」
佐藤直規はうんともすんとも言わない。
でも、聞いてはいるようだから、話を続けた。
「宇宙は、どんどん枝分かれして、
パラレルワールドを作り出してるんだって。
そう考えると、確かに説明がつくんだよね。
私のお母さんは亡くなっているのに、
金髪のさおりのお母さんは生きてる。
たぶん、お母さんが亡くなった時、
私の世界とそっちのさおりの世界に枝分かれしたんだよ」