エレベーターで3階に上がり、
いつもおじいさんでいっぱいのエリアにたどり着くと、
私は今日の新聞を突きつけた。
前に佐藤直規が私にしたみたいに。
「ここ見て。なんて書いてある?」
「2017年3月25日……嘘だろ!?」
「ちょっと、声大きい!」
「いや、だって……
これ、古い新聞だよな? そうだよな!?」
「今日のだってば。ほら、こっちの新聞も見てみなって」
隣のおじさんが手放した今日の朝刊を、
佐藤直規はひったくるように手に取った。
「マジかよ……どういうことだよ」
混乱したように、慌てて別の新聞に手を伸ばす。
どれを見たって、同じだってば。
「あー、めまいしてきた。
つか、耳鳴りもする。マジ、わけわかんねえ」
そうだろうね。
やっとわかったか、私の気持ちが。
口には出さなかったけど、顔には出ていたらしい。
私をチラリと見た佐藤直規の顔が、悔しそうだ。
いつもおじいさんでいっぱいのエリアにたどり着くと、
私は今日の新聞を突きつけた。
前に佐藤直規が私にしたみたいに。
「ここ見て。なんて書いてある?」
「2017年3月25日……嘘だろ!?」
「ちょっと、声大きい!」
「いや、だって……
これ、古い新聞だよな? そうだよな!?」
「今日のだってば。ほら、こっちの新聞も見てみなって」
隣のおじさんが手放した今日の朝刊を、
佐藤直規はひったくるように手に取った。
「マジかよ……どういうことだよ」
混乱したように、慌てて別の新聞に手を伸ばす。
どれを見たって、同じだってば。
「あー、めまいしてきた。
つか、耳鳴りもする。マジ、わけわかんねえ」
そうだろうね。
やっとわかったか、私の気持ちが。
口には出さなかったけど、顔には出ていたらしい。
私をチラリと見た佐藤直規の顔が、悔しそうだ。