宣言通り、佐藤直規はすぐに戻ってきた

そして、目の前のコンビニで買ってきたらしい、スポーツ新聞を私の顔の前に突き出した。

「ほら、ここ見てみ」

「ちょ、近すぎて見えないって」

「あ、ごめん」

小学生か。

心の中で文句を言いながら、佐藤直規が指差したところを見て固まった。

2019年7月7日。
新聞には、確かにそう書いてある。

「え、なんで? 2019年ってどういうこと?」

さすがにこの人がスポーツ新聞の日付まで細工をしたとは思えない。
だとしたら……。

だめだ、理解不能。で、思考停止。
あんまりにも予想外のことが起こると、身体に力が入らなくなるらしい。

私は無駄に一度立ち上がってから、椅子にストンと体を落とした。

「さおり、さおり。おーい、しっかりしろ」

佐藤直規が、私の顔の前でひらひらと手を振った。
っていうか、顔近すぎ。

私はさりげなく体を引いて、
「はいはい」と力なく返事をした。