「そんで、山手女子大学に通ってて、
お袋さんが婦人科のクリニックをやってて」

 何それ。急いで首を横に振る。

「私、違う高校だし、母は12年前に亡くなってるし」

今度は佐藤直規が「え?」と言ったまま固まった。

「だから、途中まで合ってたけど、途中から間違ってます」

佐藤直規が「はあ?」と思いっきり不愉快そうに、眉間にシワを寄せた。

なにそれ。
本当のことを言ってムッとされても困るんですけど。

「いや、別に怒ってるわけじゃなくて、
高校生ってどういうこと?」