「でも俺、思うんだ。
生きている限り、俺たちは自分の未来を選べるって。
俺は消防士になって、誰かの人生が枝分かれする前に助ける。
そういう未来を選ぶよ」

「うん」

「さおりだって、金髪みたいにもっと自由に生きたいなら、そうすればいい。
なあ、さおり。運命に選ばれるんじゃなくて、俺たちが運命を選んでやろうよ」

「運命を選ぶ?」

「ああ。俺、自信があるんだ。
これから何度さおりの世界が枝分かれしても、
どのさおりにも俺との思い出がある。
きっと、俺とさおりは、お互いの栄養になれると思うんだ。
持って生まれた花を咲かせるには栄養が必要だろ? 
俺はさおりの、さおりは俺の栄養になるんだよ」