……いた!
どうして気づかなかったんだろう。
「真紀子さんに、助けてもらおう」
「真紀子さんって、さおりのおばあちゃん?」
「そっちの真紀子さんは生きているから、きっと助けてくれると思う」
私は真紀子さんが住んでいる高齢者向けマンションの名前と場所を
繰り返し、直規に覚えてもらった。
「よし、覚えた」と直規が右手でガッツポーズをして見せる。
私はその肩にそっと頭を預けると、ため息をついた。
「やっぱり私、金髪に嫉妬してたみたい」
今が夜でよかった。
顔が見えないと、いつもなら照れて言えないことも言える。
「俺も」
直規が私の頭に自分の頭をそっと乗せる。
「俺も嫉妬してる。さおりと同じ世界にいるフジミんにも、
これからのさおりを独占できる未来の彼氏にも」
私は思わず頭を起こし、直規を見上げた。
どうして気づかなかったんだろう。
「真紀子さんに、助けてもらおう」
「真紀子さんって、さおりのおばあちゃん?」
「そっちの真紀子さんは生きているから、きっと助けてくれると思う」
私は真紀子さんが住んでいる高齢者向けマンションの名前と場所を
繰り返し、直規に覚えてもらった。
「よし、覚えた」と直規が右手でガッツポーズをして見せる。
私はその肩にそっと頭を預けると、ため息をついた。
「やっぱり私、金髪に嫉妬してたみたい」
今が夜でよかった。
顔が見えないと、いつもなら照れて言えないことも言える。
「俺も」
直規が私の頭に自分の頭をそっと乗せる。
「俺も嫉妬してる。さおりと同じ世界にいるフジミんにも、
これからのさおりを独占できる未来の彼氏にも」
私は思わず頭を起こし、直規を見上げた。