オレンジ色の空は、いつの間にかインディゴブルーに変わっていた。
キラキラ光っていた海も、空との境が見えなくなっている。
私は直規の肩に頭を乗せ、その体温を感じながら、やっと切り出した。
「お願いがあるんだけど」
「うん?」
だめだ、次の言葉が出てこない。
「さおり?」
直規が私の顔を覗き込む。
その目を見たら言えなくなりそうで、
目をそらしたまま、一息に言った。
「やり直して欲しいの。金髪のさおりと」
直規の顔が一瞬で曇る。
でも、仕方がない。
これ以外、今の私にできることが思いつかないから。
私はヘアメイクのるいさんに会ったこと、
るいさんから聞いたことを話した。
それと、真澄から聞いた「接ぎ木」のことも。
辺りは暗幕を引いたように暗くなっていた。
黙って聞いていた直規の顔が、
次第に苦しそうにゆがんでいくのが暗闇でもわかる。
「助けてあげて。金髪のこと、ちゃんとつかまえててあげて欲しいの」
気持ちを奮い立たせて、最後のお願いをした。
キラキラ光っていた海も、空との境が見えなくなっている。
私は直規の肩に頭を乗せ、その体温を感じながら、やっと切り出した。
「お願いがあるんだけど」
「うん?」
だめだ、次の言葉が出てこない。
「さおり?」
直規が私の顔を覗き込む。
その目を見たら言えなくなりそうで、
目をそらしたまま、一息に言った。
「やり直して欲しいの。金髪のさおりと」
直規の顔が一瞬で曇る。
でも、仕方がない。
これ以外、今の私にできることが思いつかないから。
私はヘアメイクのるいさんに会ったこと、
るいさんから聞いたことを話した。
それと、真澄から聞いた「接ぎ木」のことも。
辺りは暗幕を引いたように暗くなっていた。
黙って聞いていた直規の顔が、
次第に苦しそうにゆがんでいくのが暗闇でもわかる。
「助けてあげて。金髪のこと、ちゃんとつかまえててあげて欲しいの」
気持ちを奮い立たせて、最後のお願いをした。