「たとえ接ぎ木されても、さおりにはまったく影響はないよ。
さおりは二つに分かれたどちらかの人生を歩むだけ。
接ぎ木した人生を歩むのは金髪のさおりでだからね。
さおりとは関係ないパラレルワールドとして進んで行くだけだから」

そう言われても……。

私は、私たちは一体どうなっちゃうんだろう。

「まあ、かなりレアなケースみたいだけどね。
私も彼氏にこの話を聞いた時は、よくわからなかったくらいだもん。
でも、金髪のさおりの話を聞いて、こういうことなんだなって今わかった。
昔とは別人みたいだって言われる人は、パラレルワールドに接ぎ木した人なのかもしれない」

夜の海に入った金髪のさおりが、新しい世界を生きようとしている。
それは大きなうねりとなって、私の世界にまで波紋を広げた。

「枝分かれしても、元をたどれば二人のさおりは同じ人間だからね」

もとをたどれば同じ。
もしかしたら、私が金髪で、金髪が私だったかもしれないわけで。

私は混乱したまま、曖昧に頷いた。