「さおり、落ち着いて。
別に、さおりが抹殺されるわけじゃないよ」
美園は、自分より背の高い私をそっと抱きしめるように座らせた。
「だったらどういう……」
「例えば、さおりが進路を選ぶ時、さおりの世界は枝分かれする。
すると、パラレルワールドができる」
「医学部に進んだ私の世界と、ほかの学部に進んだ私の世界ができるってこと?」
「そういうこと。
ただ、普通はそれで終わりだけど、そのどちらでもないパラレルワールドが
生まれることがあるらしいんだよね」
「どちらでもない世界……?」
「さおりの人生の延長線上に、さおりの選択とは関係のない世界が生まれるの。
パラレルワールドとして」
「なにそれ。途中までは私の人生なんだよね? お母さんを亡くした私の」
「そうだよ。
それで、さおりの人生が枝分かれする時、金髪のさおりが接ぎ木する。
つまり、本来なら二つに枝分かれするところが、三つに枝分かれするってこと」
「じゃあ私は? どうなるの?」
だめだ、頭がこんがらがってる。
別に、さおりが抹殺されるわけじゃないよ」
美園は、自分より背の高い私をそっと抱きしめるように座らせた。
「だったらどういう……」
「例えば、さおりが進路を選ぶ時、さおりの世界は枝分かれする。
すると、パラレルワールドができる」
「医学部に進んだ私の世界と、ほかの学部に進んだ私の世界ができるってこと?」
「そういうこと。
ただ、普通はそれで終わりだけど、そのどちらでもないパラレルワールドが
生まれることがあるらしいんだよね」
「どちらでもない世界……?」
「さおりの人生の延長線上に、さおりの選択とは関係のない世界が生まれるの。
パラレルワールドとして」
「なにそれ。途中までは私の人生なんだよね? お母さんを亡くした私の」
「そうだよ。
それで、さおりの人生が枝分かれする時、金髪のさおりが接ぎ木する。
つまり、本来なら二つに枝分かれするところが、三つに枝分かれするってこと」
「じゃあ私は? どうなるの?」
だめだ、頭がこんがらがってる。