「あー疲れた」

夕日が眩しいホームへと続く階段を上りきると、無意識に言葉が漏れた。

「ちょっとさおり、階段を上がるだけで疲れたとかやばくない?」

さっさとベンチに座り込んだ私を、美園が呆れた目で見下ろす。

「仕方ないよ。
勉強とお父さんの世話で忙しいんでしょ?」

真澄が気遣うように私の顔を覗き込む。

二学期に入って、真澄はますますきれいになった気がする。

彼氏とうまくいってるんだなって、聞かなくてもわかる。

なんて考えていたら、美園がちょっと怒った顔で言った。

「それだけ? さおり、最近おかしいよ」

図星。
美園ってば、相変わらずこういうところは鋭いんだよね。

「今日は塾、ない日だよね」

うなずくよりも先に、二人に両腕を掴まれ、駅前のカフェに連れていかれた。