真下から眺める大観覧車は華やかで、羽を広げた巨大な孔雀みたいだ。

「コスモクロックは、どっちの世界にもあるんだよね」

いつどこでまた自分の世界に戻されるのかわからない。

そんな私の不安をすばやく察した直規が私の頭をくしゃくしゃに撫でながら笑った。

「あるよ。だから、心配すんな」

直規に言われると、そんな気になるから不思議だ。

私は直規と手を繋いで、何年も見つめ続けてきたコスモクロックに乗り込んだ。