みなとみらいは、夜が濃い。
たくさんのビルの光が溢れているのに。
きっと、真っ暗な海を背負っているからだろう。

この夜の濃さが、私は嫌じゃない。
コスモクロックがよりきれいに見えるから。

いつものスタバのテラス席に、直規と並んで座った。

「寒くない? 中に入る?」

直規が心配そうに私の顔色をうかがう。

「ううん、大丈夫だよ」

直規が貸してくれた、ぶかぶかのグレーのパーカー。
その裾をつかんで笑顔を返し、七色に変化するコスモクロックを見上げた。

「やっぱり、ここから見るコスモクロックが一番きれいだよね」

「どこから見ても一緒だって」

そう言う直規も、コスモクロックを見上げている。
素直じゃないなあ。