雨の勢いが強くなって、
私たちは近くのファミレスに駆け込んだ。

お互いハンバーグプレートだけでは
足りなくて、フライドポテトを
一緒につまみながら、いろんな話をした。

真紀子さんのことや父のこと、
進路のこと、
それからるいさんのこと。

直規と一緒だと、
どうしてこんなに話したいことが次々と出てくるんだろう。

フジミんとお父さんの関係も、
正直に話した。
直規はちょっとショックを
受けたみたいだけど、
「聞いてよかった」と笑った。
るいさんのことは、知らないようだった。

左腕のダイバーズウォッチを見た直規が、
「あ、間違えた」と壁の時計を見上げた。

「そろそろ帰るか」

「直規は? どうするの」

「俺は何とでもなるから」

「でも……せっかく一緒にいられるのに」

思わずもれた心の声に、
一瞬で顔が熱くなる。
どうしよう、変なこと言っちゃった。

「そういうこと言うなよ」

小さい声で直規がつぶやく。
顔を上げると、
そっぽを向いた直規の耳が赤い。

「いいから行こう。
さおりがちゃんと帰れるか
心配なんだよ。
だから、送らせろ」

雨はもう、上がっていた。