ズバリと言い当てられて、固まった。
一瞬で顔が熱くなる。

これじゃ、何も言わなくても認めているようなものだ。
もちろん、それをフジミんがスルーするはずはなくて。

「いやん、さおりんたら照れちゃって♡」

だから、語尾に♡をつけてしゃべるの、やめなさいってば。

直規に会いたい。考えても仕方ないから、
なるべく考えないようにしていたけど、やっぱり会って謝りたい。
そのために、チョコ断ちまでしてるのに。
でも、直規は金髪じゃないさおりのことなんて、
もう忘れちゃったかな。

こっちのフジミんはこんなに近くにいるのに。
顔も声も同じなのに、やっぱり直規とは違う。

どこまで行っても縮まらない二つの世界の距離を思いながら、
「早く自分の教室に行きなよ」とフジミンを追い出した。