我ながら、いいジャンプだった。
だから、今年はいい一年になる気がする。

私は満足感でいっぱいのまま、東京駅で新幹線を降りた。

東京駅で東海道線に乗り、横浜からは京急線に乗って4分。
私の家がある日ノ出町駅に着く頃には、空は暗くなっていた。

群馬より横浜の方が気温は高いはずなのに、やたらと寒い。
北風にさらされた首元がスースーする。
気に入ってた、灰色がかった水色のマフラーが、
見当たらないのだ。

たぶん、コスモクロックが見えるスタバに置いてきたんだろう。
そう思って、お店に電話してみたけど、見つからなかった。

あの男、いったいどういうつもりだろう。
スタバではあそこまで騒いだくせに、今日はスルーだなんて。

もしかして、気づかないふりをしただけ? 
ストーカーだったら、どうしよう。
でも、今そんなことを考えても仕方がない。

長い坂を登りきり、公園を抜けると、我が家が見えてきた。

珍しい、電気がついているなんて。

玄関を開けると、テレビの音が聞こえてきた。
どこの国かはわからない、外国の言葉。

さすがの父も、元旦は家に帰る気になったのだろうか。

いや、たまたま患者さんがみんな落ち着いているだけかもしれない。

どっちにしても、知らないけど。