こんなはずじゃなかったのになぁ、なんてぼやいても仕方がない。

そう、仕方がないのだ。

あちらこちらで奇声と笑い声がどっと溢れる教室の中、私は一人ぽつんと椅子に座っていた。

何もすることがないとはなんとも苦痛で、少しでも寂しさを紛らわせるためにポケットからおもむろにスマホを取り出した。

スマホを開いて、適当にインスタグラムを開いた。そこには中学の友達が楽しそうにクラスメイトと笑い合う写真が、いくつも載っていた。あのこも、あのこも、あのこも。他校に行った友達の投稿は、まさしく青春そのものだった。

見なければよかった。そんな後悔の念と、純粋に羨ましいと思う気持ちが入り乱れて苦しい。

でもここで見るのを止めて、スマホを閉じた後はどうするのだろう。取り敢えず、御手洗に駆け込もうか?

ふとそんなことを考えたが、私はすぐに頭を振った。あそこはいつも、一軍女子の溜まり場だったことを思い出したからだ。鏡の前で可愛らしいポーチ片手にメイクをする姿が鮮明に頭に浮かぶ。その横を通っていくなんて、私には無理だ。