明子に言われた通り、裏門の近くまで来ると5組の飯山くんが待っていた。

少し前に、ラインを交換して何回か連絡を取った。


「あの、さ…東雲さん。その、俺と付き合ってくれないかな。」


告白…

飯山くん…確かにラインは交換したけど、ほとんど話した事はない。

令美はすぅっと息を吸い込み、手をギュッと握りしめた。


「…ごめんなさい。今誰かと付き合うとかあまり考えてなくて。。」

自惚れとかではなく、告白はよくされる。

でも私は、私の事をちゃんと知ってくれた人と付き合いたい。

告白されたから付き合うとかそう言う事は出来ない。


「でも、好きって言ってくれた事はありがとう。これからも、同級生として仲良くしよう。」

いつしか、この言葉が断る時の台詞になっていたー


飯山くんがその場を後にすると、令美はその場にしゃがみ込んだ。

コスモスの花が風に揺れて咲いていた。


キキーッ


すると、裏門の前に一台の黒い車が停まった。


カサッ

足音がして振り返ると司馬くんが立っていた。


今の…聞かれて……