「…俳優やってる司馬くんの前で言うのもアレだけど…自分から抜け出して違う人の人生を演じられるの、すごく楽しい。」
そう言う私を見て、司馬くんは柔らかく微笑んだ。
…っは‼︎私、何生意気に語っちゃってるんだろう。。
「ぁ、えっと…資料、先生に提出してくるね‼︎」
バタバタと資料室を出た。すると、目の前にあの取り巻き軍団が構えていた。
令美に何か言いたげな顔をしていたが、声をかけられる前にその場を後にした。
***
「…えっ⁈キャストを変える??」
放課後、部室で令美の声が響いた。
「ああ、東雲の相手役をな。みんなビックリすると思うが、司馬奏多にやってもらう事になった。」
「ええー‼︎‼︎‼︎」
部員全員が驚きの声をあげた。
令美はポカンと顧問の先生を見上げた。
私の相手役が、、司馬くん?