「…わぁー、、」

メイクさんに化粧をしてもらい、鏡な映る自分を見て令美は感心した。

自分じゃないみたい…

洋服もすごく可愛いし、芸能界ってすごい…


「じゃあ令美ちゃん。撮影を始めようか。」


パシャパシャとカメラのシャッターが切られる。

「うーん、ちょっと表情が固いかなぁ。もっと肩の力抜いて、深呼吸してみようか。」


令美は言われた通り深呼吸をした。


「おはよーございます。」


「おお、奏多。今日令美ちゃん初めての仕事だよ。」


奏多はカメラの前でまだ固い表情をした令美をじっと見つめた。


「…はい、じゃあ一回休憩に入ろうか。」


令美ははぁーっと重いため息をついた。


写真に撮られるって思ったよりもずっと難しい…

自分がどんな顔してるか分からないから、笑ってるつもりでも、カメラマンさんにはまだまだ固いと言われてしまった。


「…緊張してんの?」


「司馬くん!」


「カメラに撮られてると思うから強張るんだ。カメラの向こうにいる読者に向けて笑顔を作れ。」


カメラの向こう…?