『4月11日《金》午前11時45分』



昨日に続いて、今日も空は快晴。京都の平均気温は、十五度度と動きやすい気候。最高気温は二十三度にまで上がるとネットニュースに載っており、この服装だと日中は少し暑くも感じられる温度だ。

『バスが到着しました。ご乗車の方は、後ろのドアからお入りください』

バス停で待っていると、僕の乗るバスが予定よりも少しだけ遅れてやって来た。

「……」

僕は、開いた後ろのドアからバスに乗車した。

平日の昼間の時間帯のせいもあってか、車内は空いている席も見られた。

僕は一番後ろの窓際の席に座って、耳に黒いイヤホンをはめた。そしてダウンロードしている、音楽サイトアプリから僕の好きな音楽を聴き、呆然と外の景色に目をやる。目まぐるしく移り変わる景色をなにげなく見ながら、僕は音楽を聴く。

バスも標識の制限速度を守って、ゆったり走行する。時折、左右に曲がる。それと同時に、車内も右左に小刻みに揺れる。走行していると同時に、バスの車内の人数も徐々に増える。