『3月23日《土》午前2時13分』


「彼女のいないこんな人生、どうでもいい。生きていても、楽しくない。死にたい………」

今の僕は、ほんとうにそう思っていた。

彼女とデートした思い出を頭の中で思い浮かべるが、もう一生美希さんとデートも会話もできないと思ったら生きることに希望が持てない。

「ここから飛び降りたら、そっちでまた美希さんとも会えるよね」

そう言いながら、僕は二階建ての屋根から地面を見下ろした。

高さは八メートルから十メートルぐらいあったが、生きる気力を失った今の自分は、死ぬ恐怖を感じなかった。

「美希さん、今から僕もそっちに逝くよ」

大好きだった彼女の名前を最後に口にして、僕は足がすくむ高さから飛び降りた。

ーーーーーードスンーーーーーー。