*
『8月1日《火》午前10時37分』
春が過ぎて、暑い夏を迎えていた。高校も夏休みの真っ最中で、家の中にいても蒸し風呂に入っているような暑さを感じる。
「美希さん………」
僕は、彼女の名前を口にした。
美希さんとは、しばらく会っていない。学校も最近はほとんど欠席だし、仕事に出勤している様子も見られなかった。学校の担任の佐藤先生の口からは、『しばらく佐伯さんは、お休みします』と、そうみんなに簡単に報告しただけだった。
「はぁ」
二階にある、六畳から八畳ぐらいの自分の寝室。そこから僕は窓を両手で開け、どこまでも広がっている夏の青空を見上げた。蝉の鳴き声があちこちからうるさく聞こえ、うだるような暑さが続いている。
「暇だなぁ」
今の僕は、ほんとうにそう思っていた。美希さんと会えない日は、楽しみがなかった。そう考えると、やっぱり僕は彼女に片思いをしているのだろうと思った。
『8月1日《火》午前10時37分』
春が過ぎて、暑い夏を迎えていた。高校も夏休みの真っ最中で、家の中にいても蒸し風呂に入っているような暑さを感じる。
「美希さん………」
僕は、彼女の名前を口にした。
美希さんとは、しばらく会っていない。学校も最近はほとんど欠席だし、仕事に出勤している様子も見られなかった。学校の担任の佐藤先生の口からは、『しばらく佐伯さんは、お休みします』と、そうみんなに簡単に報告しただけだった。
「はぁ」
二階にある、六畳から八畳ぐらいの自分の寝室。そこから僕は窓を両手で開け、どこまでも広がっている夏の青空を見上げた。蝉の鳴き声があちこちからうるさく聞こえ、うだるような暑さが続いている。
「暇だなぁ」
今の僕は、ほんとうにそう思っていた。美希さんと会えない日は、楽しみがなかった。そう考えると、やっぱり僕は彼女に片思いをしているのだろうと思った。