学校の指定された黒い革靴を履いて、黒いカバンを持って僕は家を出る。家を出ると、広々とした庭が広がっていた。土地だけでも優に150坪は超える、広々とした庭。

広々とした庭には砂利が敷き詰められており、年季の入った松の木が歴史を感じさせるように立っている。

大きな松の木の真下には、石灯篭が一本立っている。石灯篭は全部で三本あるが、玄関から外に出て最初に視界に入るのは松の木の真下にある、石灯篭だ。

ーーーーーー和風日本庭園。

「ワォーン」

僕が玄関から外に出ると、飼っている愛犬のビーグルが吠えた。

体毛の半分が茶色と黒で覆われており、少し首元に白色が入っている。まん丸とした目に、耳が垂れているのが特徴的な犬だ。