『スナックの仕事だけでは返済できないから、お母さんは週三日、パートで事務の仕事もしてたんだ』

「‥……」

翼の言葉を聞いて、私の瞳から涙がぽろぽろとこぼれた。

私の知らないところで、母親が一生懸命がんばってくれていたと思うと涙が止まらない。

ーーーーーーお母さん、ごめんね。

私は、泣きながら謝った。

初めて母親のがんばりを知っても、私は泣くことしかできない。最後に母親に言った、『違う親から産まれたかった』という言葉が私を悲しませる。

『母親の命よりも、大事なことが昨日に会ったのかよ!最後ぐらい、帰って来てやれよ!』

怒り声を上げて、翼は電話を一方的に切った。電話が切れたのと同時に、翼の声が聞こえなくなった。