用意されていた服装は風俗のイメージと違って、全然違った。

白いブラウスに、黒いミニスカート。風俗にしては肌の露出は少なく、控えめな服装。

「風俗だから、もっと露出度の高い服装だと思ってたんだけど。意外と、普通なのね」

風俗の仕事着が思ってたよりも普通で、自分が風俗嬢になったことにあまり実感がわかない。

ーーーーーーガチャリ。

そのとき、個室のドアが開いた。

私は音のした方に視線を向けた。私の視線の先に、五十代ぐらいの中年の男性の姿が見えた。

ラフな服装をしており、細身の男性。つり上がった一重の目に、整った顔立ち。褐色の肌に、短く切り揃えられた黒い髪の毛。

「いらっしゃいませ」

予約していた男性が個室に入って来て、私はできるだけ明るい口調で出迎えた。五十代ぐらいにしてはけっこうなイケメンで、私の印象的には悪くはなかった。