「ま、この江藤千隼の件は終わりにしてさ、蒼生にこの前の日万凛とのデートの話をしてやるよ!超、日万凛可愛かったから!!」
 少し重くなりかけた空気を潤が変える様に話題を変えた。
 最終的には潤の独壇場。潤は二人が絶縁していた時期の日万凛の話を、これでもかと蒼生に話す。日万凛はそれに顔を青くしたり、赤くしたりと忙しくするしか出来なかった。
 けれど、蒼生も同じ様に嬉しそうにしたり、驚いたり、時にはムッとしたり表情が忙しなく動いていた。

 金曜は結局、二人とも泊まっていった。日万凛だけベッドで、蒼生と潤はリビングで雑魚寝と言う状態だ。
日万凛は悩んでいた内を潤のアシストあってだがちゃんと蒼生に伝えられ一安心したのもあり、早々と目がトロントロンとしてきてしまったのだ。
 最終的に蒼生に寄り掛かり寝かけてしまったので、抱きかかえられ強制的にベッドへ連れていかれたのである。

 ベッドに運ばれ完全に寝落ちる前、リビング方面から蒼生と潤の話し声が聞こえる。日万凛からするとその状態は子供の頃以来のことで。なんとなくそれがくすぐったく感じた。

 起きたら、伝え忘れたことを伝えないと。
 そういえば、週明けまた千隼の会社の人と打ち合わせなのだ。千隼が来るとは限らない。けれどもちゃんと伝えておきたい。
 そう、眠い頭で考えながら夢の中へ旅たった。