素直になろう、と決めたのだ。恥ずかしいけれど、想っているだけでは伝わらないと言うのを嫌ってほど知ったし、実感した今だからこそ日万凛は想いを告げた。

 確かに今回だけではない気がする。直接、千隼と仕事をしているわけではないけれど千隼の働いている会社と取引をしている今、次がある可能性は十二分にあるんではないだろうか。
 そう思うのは日万凛が自意識過剰なのかもしれない。ちゃんとお別れを告げて終わった恋だったら良かったのかもしれない。
 けれども、日万凛と千隼の恋は最終的に距離と会えない時間に負けたのだ。そしてお互いが背を向ける様に連絡を絶ってしまった。

 日万凛も今でこそ、蒼生との長い拗らせた初恋が実り、それによって初恋と千隼との別れを昇華出来たのだ。
 それまでの間は、上手く恋を終わらせられなかった事が胸の奥に燻っていた。
 もしかしたら、千隼もそうなのかしれない。そう思うと、この一回だけの再会で終わらない気がするのだ。
 蒼生は日万凛の言葉を聞いて少し複雑そうにしながらも「話してくれてサンキューな。もし、また千隼が接触してきたら教えろよ。…二人は終わったとしても、俺は面白くない。けど、知らないでいるのも面白くない。」と気持ちを伝えてくれた。

 そんな蒼生の態度に潤は「拗らせたのをようやく修正出来たんだしそりゃ邪魔はされたくねぇよな。」と爆笑しつつも、日万凛に「多分、江藤千隼は蒼生と違って常識人だと思うけど、困ったことあったら、俺に報告しろよ?」と心配した顔を向けたのだった。