先日、初恋の相手でそして再会後、再び好きになってしまった蒼生と思いを通わせることができた。
 そのことに関しては、自身でも色々思うことがありつつも嬉しいと日万凛は感じていた。
 やはり時々、それを不安に感じる。けれども、その不安を蒼生は一つ、一つ消去すべく言葉であったり、行動で示してくれる。
 気が付いたら日万凛は愛されヒロイン街道爆進している。

 そんな日万凛も幸せの中、まさかの元カレである、江藤千隼との再会。しかも、仕事絡みとはどうしたらいいのだろうかと少し悩む。
 蒼生に伝えた方がいいのか、それとも過去で疚しい事があるわけでもないので言う必要ないのか。
 再会して一週間、どうしたらベターなのか考えてるうちに週末を迎え、一人ため息つく。

 自分で答えを出しきれず、潤に連絡して見ることにした。弟である潤は一番の相談相手だ。メッセージアプリ起動してメッセージを送信する。

 『ねぇ、潤は彼女が元カレと不可抗力とはいえ再会してたとしたら話してほしい?』

 直ぐ既読がつく、そして『今から電話する』と言うメッセージ受信した瞬間、潤から着信が入った。『日万凛、今電話、大丈夫?俺は、江藤千隼と会ったこと、蒼生に伝えた方がいいと思う。』

 挨拶もなしに即答する。敢えてメッセージではなく、電話で伝えてきたと言うのは潤の中でそれを強く思っているから。そう日万凛は感じた。
 外にいるのだろうか、周りの音は少し賑やかだ。しかも、『潤〜電話まだおわんないの?』と、外の喧騒に混じって潤を呼ぶ女性の声が聞こえる。
 まだも何も会話し始めたばかりなのに、と思いつつ潤に『デート中だった?邪魔してごめんね。』と謝ると『気にするなよ。日万凛の方が大事だから。』とぬけぬけと言う。

 『日万凛、言って喧嘩するのも嫌だし、あとでバレて喧嘩するのも嫌なんだろ?もし、一人で言うの嫌だったら、俺一緒に同伴するよ?あ、そうしよう!ん〜よし、今から日万凛の家向かうわ。序でに蒼生に連絡して拾ってもらう!』

 言うだけ言って『玄関の鍵は閉めておけよ、スペアで開けるから。』と、一方的に会話を終了されてしまった。