日万凛は少し変な空気にしてしまったか、この空気をどうしようかと思っていたら榊がボソッと「不破さん…それ、セクハラですから。」というので日万凛は思わず笑ってしまう。
 東雲も「女性にその様なことを聞くのはナンセンスですよ。」とグラスを磨きながら。
 日万凛と東雲、榊と微笑み合い和んでいる一方で不破は理解できず一人キョトンとしている。それがまた日万凛は可笑しくて仕方なかった。

 談笑しながらも日万凛の頭の中は徐々に仕事モードに切り替わっていった。
 頼んだカクテル、そしてこの談笑の中で企画書を作る取っ掛かりを見つけられた、そんな気がしたからだ。’カクテル言葉‘これをキャッチフレーズにしたら女性の興味をもつのではないだろうか。
 (女性はこういう◯◯言葉的なフレーズが好きだから…CMとかもカクテル言葉に沿ったのにして…うん、イケる気がする!)
 企画の骨組みを頭の片隅で構築しながら目の前にあるカクテルを飲み干した。今日は金曜なので明日、明後日は仕事は休みだ。月曜には少しでも企画をまとめ、不破に提出したい。
 そんなことを考えながら残りの時間もBARを、そしてこの談笑を堪能した。そして駅まで不破に送ってもらい終電間際の電車に乗り込んだ。この週末は忙しくなりそうだ。