パーテーションの外は忙しなく動いてる。社員同士の話し声。電話の着信音、応答の声。
同期の女子社員、椎名楓(しいな かえで)に相談がある、と言われ千隼は一足先にパーテーションで仕切られた商談ルームで自販で買った缶コーヒーを飲んで過去を思い出していた。
この同期が数ヶ月前から手掛けている広告のクライアント、大手飲料会社スザクビバレッジの企画スタッフの名前に“田崎”と言う苗字の女性が居ると話の流れで知り、千隼はその名前をキッカケに学生時代を思い出していた。
初めて付き合った女性の苗字が“田崎”だった。
入学当時、出席番号が前後だったのがキッカケで仲良くなった神崎蒼生がいつも見ていた女子、田崎日万凛だ。
蒼生の視線の先が気になって、千隼も一緒になって彼女を目で追うようになった。そこから、恋愛感情が生まれたのも必然だったのかもしれない。
蒼生は視線で追うだけで日万凛とは話はせず、幼馴染だと言う割には二人の関係はギクシャクしていた。そのくせ、蒼生は日万凛を意識し、そして日万凛を求めている。
直接、蒼生に確かめたことはなかった。確かめてしまったら日万凛を取られてしまうかと思ったからだ。
だから先手を打って蒼生に「神崎は田崎さんと幼馴染なんだろ?俺、田崎さん好きになったから取り持ってほしい。」と、持ちかけた。
意外や意外。蒼生はすんなり間を取り持ってくれた。ただただそれをキッカケに日万凛と話をしたかったのかもしれない。散々女子に言い寄られ女遊びしていた割に、蒼生は不器用な男だと思う。
同期の女子社員、椎名楓(しいな かえで)に相談がある、と言われ千隼は一足先にパーテーションで仕切られた商談ルームで自販で買った缶コーヒーを飲んで過去を思い出していた。
この同期が数ヶ月前から手掛けている広告のクライアント、大手飲料会社スザクビバレッジの企画スタッフの名前に“田崎”と言う苗字の女性が居ると話の流れで知り、千隼はその名前をキッカケに学生時代を思い出していた。
初めて付き合った女性の苗字が“田崎”だった。
入学当時、出席番号が前後だったのがキッカケで仲良くなった神崎蒼生がいつも見ていた女子、田崎日万凛だ。
蒼生の視線の先が気になって、千隼も一緒になって彼女を目で追うようになった。そこから、恋愛感情が生まれたのも必然だったのかもしれない。
蒼生は視線で追うだけで日万凛とは話はせず、幼馴染だと言う割には二人の関係はギクシャクしていた。そのくせ、蒼生は日万凛を意識し、そして日万凛を求めている。
直接、蒼生に確かめたことはなかった。確かめてしまったら日万凛を取られてしまうかと思ったからだ。
だから先手を打って蒼生に「神崎は田崎さんと幼馴染なんだろ?俺、田崎さん好きになったから取り持ってほしい。」と、持ちかけた。
意外や意外。蒼生はすんなり間を取り持ってくれた。ただただそれをキッカケに日万凛と話をしたかったのかもしれない。散々女子に言い寄られ女遊びしていた割に、蒼生は不器用な男だと思う。