日万凛の知らなかった過去の話で盛り上がって、気が付けばデザートの時間だ。
 ウエイターが小さいホールのケーキを持ってテーブルに来て日万凛は目を見張る。チョコのプレートに白いデコペンで「happy birthday HIMARI」と書かれてある。
 二十八本のロウソクの代わりに、ケーキ用の花火が差してあり目を楽しませる。
 「一ヶ月遅くなったけれど、日万凛、誕生日おめでとう」

 まさか誕生日を覚えてたなど考えもしなかった日万凛は、呆然と目の前のケーキを見る。よく見るとケーキは日万凛が好きなチーズケーキ。
 仮にコレが潤の入れ知恵だったとしても、日万凛は嬉しくて顔に笑みが浮かぶのを止められなかった。
 
 そしてプレゼントまで用意していてくれていた。
 海外ブランドのブレスレットだ。ケーキに続くサプライズに放心していた日万凛の左手を取ってブレスレットを着けてくれた蒼生は、まるで王子様みたいだ。
 恥ずかしさとそれに勝る嬉しさが日万凛の心を占めていた。