一時期、会社の人が休みの日に日万凛と潤二人で出歩いているのを見て付き合っていると噂された。
潤と会う時、会社帰りにオフィス近くの駅で度々待ち合わせしたりもしている。そして潤は日万凛を「お姉ちゃん」や「姉貴」とは呼ばない。
 駅で待ち合わせしている時「日万凛!待った?会いたかったー!」「日万凛、愛してる。」など抱きついて平気で言うもんだから、未だに潤が日万凛の彼氏だと勘違いをされていたりもする。

 けれども日万凛の中の記憶、学生時代の蒼生と潤は犬猿の仲、と言った表現が正しい。主に潤が毛嫌いしていたという印象でもあるけれど。
 蒼生はBARでの再会に関して話をポツリ、ポツリと話してくれた。

 日万凛がBAR cachtteを一人で訪れた時に喧嘩していたカップルは蒼生だった。蒼生はその時、日万凛を見掛けてから定期的に潤へ連絡取り始めたそうだ。潤は相変わらず生意気だとか言いながらも何だかんだと潤と連絡取ること自体、嫌じゃないらしい。

 日万凛の知らない水面下で蒼生と潤が連絡取り合っている間、それこそ定期的に日万凛、潤姉弟は連絡を取ったり、会ったりしていたけれど潤からは一切、そのような話が出なかった。

 「潤のシスコンは筋金入りだな。」と苦笑しつつも「でもそのシスコンのお陰でお前は助けられたことがある。」と、言った。