いいオンナみたいに蒼生の言動をあしらうなんて高度なスキルは日万凛には持ち合わせていない。
 学生時代のギスギスした状態の蒼生の言動なら、聞き流したり、あしらったり出来たであろう。けれど今の蒼生の態度は当時と百八十度違う。今、日万凛が持っている恋愛スキルではどうやっても上手く立ち回れないのだ。

 半分惚気に近いような、そんな日万凛の話を泪は本日の食堂の一押しメニュー酢豚定食を日万凛が話しやすいよう相槌打ったり、先を促しながら、そして時には脱線しながら食べている。
 「酢豚にパイナップルって最高だよねー」とか言っているが、日万凛は酢豚にパイナップルやポテトサラダにリンゴとかの果物は邪道だよな、と思っているので、その件はスルーする。

 一通り日万凛が近況を話し終わった頃、お茶を飲みながら二人で一息つく。
 食後のお茶は至福だな、とちょっと年配じみた事を思いながらボーっとしていると泪が「さて、それでは泪さんの恋愛カウンセリングといきましょうか!」と、口元に笑みを浮かべながら日万凛の気持ちを一つ一つ整理し始めた。