「日万凛、なんかあった?みんな心配しているよ?」

 そう泪に言われたのは、蒼生とのデートのカウントダウン前日。
 お昼休憩の時。第一弾のジンライムは無事発売し、売り上げも当初予定していた推移より今はやや上と出だしは好調。
 ジンライムのCMの最後の撮影も終わり、第二弾のアプリコットフィズの最終調整に入っている。
恐ろしいくらい順調だ、仕事。
 プライベートもきっと順調なのだと日万凛は思っている。ただ戸惑ってはいるのだけれど。

 こうやって泪と話していても気もそぞろな時が何度もあったのを指摘されていると気がつく。
 日万凛は自分では平常心でいたつもりだったのだけれど、そう思っていたのはどうやら日万凛だけだったみたいだ。
 泪のセリフに「みんなも」と入っているのだから、他の人にも無意識に同じように接してしまったのだろう。反省の一言に尽きる。
 そしてきっと泪はみんなに確認してほしいと事情聴取を依頼されて今、聞いてきてるのだろう。

 理由が仕事ではなく、蒼生なのだが…これはこれでなんとなく恥ずかしい。
 日万凛は男の人と二人で出かける事は元カレの千隼が最後だったので、もう五年以上も前の話だ。ソワソワするな、と言うのが無理な話なのだ。
 だが仕事に支障は出てないといえども、周りに心配をかけている現状なので恥ずかしいが打ち明けることにした。

 「あのね。明日、蒼生と会うの。それでなんか落ち着かなくて…」