日万凛も今でこそ、蒼生との長い拗らせた初恋が実り、それによって初恋と千隼との別れを昇華出来たのだ。それまでの間は、上手く恋を終わらせられなかった事が胸の奥に燻っていた。
 もしかしたら、千隼もそうなのかしれない。そう思うと、この一回だけの再会で終わらない気がするのだ。

 蒼生は日万凛の言葉を聞いて少し複雑そうにしながらも「話してくれてサンキューな。もし、また千隼が接触してきたら教えろよ。…二人は終わったとしても、俺は面白くない。けど、知らないでいるのも面白くない。」と気持ちを伝えてくれた。

 そんな蒼生の態度に潤は「拗らせたのをようやく修正出来たんだしそりゃ邪魔はされたくねぇよな。」と爆笑しつつも、日万凛に「多分、江藤千隼は蒼生と違って常識人だと思うけど、困ったことあったら、俺に報告しろよ?」と心配した顔を向けたのだった。

 「ま、この江藤千隼の件は終わりにしてさ、蒼生にこの前の日万凛とのデートの話をしてやるよ!超、日万凛可愛かったから!!」
 少し重くなりかけた空気を潤が変える様に話題を変えた。
 最終的には潤の独壇場。潤は二人が絶縁していた時期の日万凛の話を、これでもかと蒼生に話す。日万凛はそれに顔を青くしたり、赤くしたりと忙しくするしか出来なかった。
 けれど、蒼生も同じ様に嬉しそうにしたり、驚いたり、時にはムッとしたり表情が忙しなく動いていた。

 金曜は結局、二人とも泊まっていった。日万凛だけベッドで、蒼生と潤はリビングで雑魚寝と言う状態だ。
日万凛は悩んでいた内を潤のアシストあってだがちゃんと蒼生に伝えられ一安心したのもあり、早々と目がトロントロンとしてきてしまったのだ。
 最終的に蒼生に寄り掛かり寝かけてしまったので、抱きかかえられ強制的にベッドへ連れていかれたのである。

 ベッドに運ばれ完全に寝落ちる前、リビング方面から蒼生と潤の話し声が聞こえる。日万凛からするとその状態は子供の頃以来のことで。なんとなくそれがくすぐったく感じた。

 起きたら、伝え忘れたことを伝えないと。
 そういえば、週明けまた千隼の会社の人と打ち合わせなのだ。千隼が来るとは限らない。けれどもちゃんと伝えておきたい。
 そう、眠い頭で考えながら夢の中へ旅たった。