日万凛が話し終わった時、タイミングよくオーダーした食べ物が届く。日万凛はこの店の唐揚げが大好物だ。ニコニコしながら唐揚げをつまむ日万凛を見て潤は嬉しくなる。
 世界中に叫ぶたい、「俺の日万凛(姉貴)は可愛い」と。日万凛の表情に瞬殺され脳内思考がお花畑になったのを頭振って追いやり日万凛に話しかける。

 「ふーん。代理でって事だしもう江藤千隼に会うことはないかもね。で、そう言えば俺に聞きたいことあるんだっけ?」

 きっと蒼生の事だろう。日万凛が話しやすいように話を振る。聞きたい事、と言う言葉にハッとして「あのね…」と、日万凛と蒼生が付き合うまでの話を聞かされた。
 日万凛の恋バナを聞くのは複雑な気分だ。誰が見ても蒼生より千隼の方が素行も性格もいいのだが、潤の中では日万凛と千隼は似合わないと思っていた。
 大好きな姉を取られるのが嫌で蒼生を幼少の頃から嫌悪していたけれど、日万凛と蒼生の二人はしっくりくるとも思っている。

 勿論、蒼生に対して色々思うことあるが、日万凛もだが蒼生は日万凛以上に初恋を拗らせている。ずっと傍で姉弟して、幼馴染として二人を見ていた潤は少し胸中複雑だった。
 日万凛に対しては初恋が実ってよかったな、と思う。けれども蒼生に対しては拗らせてるんじゃねーよ!ばーか!!と、言う気持ちの中にほんのちょっとだけよかったなと思う気持ちと、沢山の俺の日万凛を泣かせたら末代まで祟るぞ、と言う気持ち。

 さて、幸せ絶頂であろう蒼生に千隼の出現は伝えるべきか。
 日万凛の話を聞きながら頭の片隅で考える潤であった。